どうも、整備士のナノ(@nanoj5512)です。
ガソリンスタンドで給油してる時や、車検見積もりの際にエンジンのフラッシングを勧められたことはないでしょうか?
エンジンフラッシングについて聞いたことはあるけど、実際の効果やフラッシングの種類について詳しく知っている人は少ないと思います。
そんな人のために今回の記事では、エンジンフラッシングの効果や料金、やり方の種類について詳しく解説したいと思います。
Contents
エンジンフラッシングとは?
エンジンのフラッシングとは、エンジンの内部を洗浄することを指します。
エンジンの内部は燃焼ガスによって発生するカーボンなどで汚れています。エンジンの性能を保つためにはその汚れをエンジン内部から取り除く必要があります。
エンジンオイルの役割にはエンジン内部を洗浄する効果も含まれているのですが、エンジン内部にこべりついてしまいエンジンオイルでは取り除けない汚れがあります、
その汚れを取り除くことをエンジンのフラッシングというのです。
エンジンフラッシングの効果
エンジンフラッシングとはエンジン内部を洗浄するための行為ですが、洗浄するのには意味があります。エンジン内部の汚れを取り除くことで、エンジン本来の性能に戻すことがエンジンフラッシングの効果なのです。
エンジン内部に汚れが溜まっていくとエンジンの性能が落ちてきて、
- 吹け上がりが悪くなる
- 加速が鈍くなる
- 燃費が悪化する
などの問題が発生してきます。
それらの問題を解決するのがエンジンフラッシングで、これをすることによってエンジン内部の汚れが取れて、吹け上がりや燃費が改善されてエンジン本来の性能を取り戻すことが出来るのです!
エンジンフラッシングの効果が得られる車
エンジンフラッシングは万能ではなく、エンジンのフラッシングをして効果を得られる車両と効果を体感しにくい車両があります。
定期的にしっかりとオイル交換している車両はエンジンに汚れがそこまで堆積してないので、エンジンフラッシングをしてもあまり効果を体感することが出来ません。また当たり前ですが新車時の状態に近い車も同様にエンジン内部に汚れが溜まっていないので、エンジンフラッシングの効果が表れにくいです。
逆に効果を体感しやすい車は、長年放置されていた車、エンジンオイルの交換頻度が少ない(していない)車です。それらの車はエンジン内部の堆積している汚れの量が多く、本来のエンジンの性能より劣化していることが多いです。なのでエンジンフラッシングで大きく効果を体感しやすいのです。
ただそれらの車にエンジンフラッシングをするのは効果が得られやすいですが、エンジンフラッシングがエンジン内部の汚れを落としすぎてしまった事によるデメリットも存在します。
エンジンフラッシングのデメリット
エンジンフラッシングはエンジン内部の汚れを落とすことで、エンジン本来の性能を取り戻すことが出来ますが、それにはデメリットがあります。
汚れが溜まりすぎているエンジンでフラッシングを行うと、剥がれた汚れがエンジン内部で詰まりエンジンの故障を招く恐れがあります。ターボ車だとエンジンとタービン間を行き来している、エンジンオイルの管が汚れで詰まってしまい、タービンブローすることもあります。
また使うフラッシング剤ややり方によってですが、フラッシングオイルはこべりついた汚れを落とすくらい強力な洗浄成分のため、エンジンのオイルシールなどを傷つけてしまいます。これらが傷つくとエンジンのオイル滲みや漏れの原因になるのでやりすぎには注意が必要です。
エンジンフラッシングの種類、やり方
エンジンフラッシングは色々な方法で出来るので様々なやり方があります。またフラッシング剤やフラッシングオイルの種類もたくさんあるのでここでは大まかなやり方や種類について解説します。
フラッシングオイルでフラッシング
このやり方が一般的だと思います。
このやり方はそんなに難しくありません。
- エンジンオイルを抜く
- フラッシングオイルを入れる
- 一定時間アイドリング
- フラッシングオイル抜き取り
- 新しいエンジンオイルとオイルフィルターに交換
おおよそこのやり方でフラッシングオイルを使ったエンジンフラッシングは出来ます。
フラッシングオイルを使う場合の注意点
- フラッシングオイルで走行したり吹かしたりしない
- オイルと一緒にオイルフィルターも交換
この2つが大きな注意点です。
フラッシングオイルは普通のエンジンオイルと比べて粘度が低いため、エンジンを潤滑させる機能をほとんど持っていません。なのでそのオイルで吹かしたり、走行してしまうとエンジン内部の金属部品が擦れて削れてしまいエンジンが壊れてしまいます。そのためフラッシングオイルでは必ずアイドリング以外しないようにしましょう。
新しいオイルフィルターに交換するのも理由があります。
通常オイルフィルターはエンジンオイルが吸着した汚れを取り除きます。フラッシングオイルの時も同様で、オイルフィルターはフラッシングオイルが落とした汚れをある程度が吸着してくれるので、そのままにしておくとフィルターが汚れたままになってしまいます。
またフラッシング後にフィルターを交換しないと、エンジンオイルとフラッシングオイルが混ざってしまいエンジンに悪影響を及ぼすので交換しなくてはならないのです。
オイル添加剤(フラッシング剤)でフラッシング
このやり方は簡単で、エンジンオイルを交換する前にオイルに添加するタイプのフラッシング剤を入れて、アイドリングしてからオイル交換をするというやり方です。
エンジンオイルの交換時期に合わせて添加剤を入れて待つだけなので、簡単に行うことが出来ます。洗浄成分がフラッシングオイルに比べて低いので、エンジン内部で汚れが詰まったりする危険性は低いです。
ですが注意点はあまりフラッシングオイルと変わりません。エンジンオイルに添加しているから洗浄成分は低いものの、たくさんの汚れを取り除くのでオイルフィルターを交換する必要があります。
また添加したことでエンジンオイルの粘度が低下して、エンジンを潤滑させる役割も低下するので、オイル添加剤を入れた状態ではアイドリング以外しないようにしましょう。
エンジンオイルでフラッシング
これはあまり一般的なやり方ではないですが、フラッシング剤やフラッシングオイルを使わずに、エンジンオイルをこまめに交換するだけでエンジン内部を綺麗にする事ができます。
普通のオイル交換時期(5000km)より早くオイル交換をし続けて、オイルに含まれる洗浄成分でエンジン内部を徐々に綺麗にする方法がこのやり方です。
(もちろんずっとやっていくわけにはいかないので、ある程度汚れが取れてきたのを確認したら作業完了とみなして、いつもどおりの交換間隔に戻ります。)
このやり方で大切なのはエンジンオイルの質をこだわることではなく、エンジンオイルを交換する感覚を短くすることです。安いエンジンオイルでも良いからフラッシング期間中は交換間隔を短くして、オイル交換をするほうがフラッシング効果が出ると思います。
オイル交換頻度は500km~1000kmくらいで交換するのが良く、それを3回くらいやればやる前より確実にエンジン内部を綺麗にすることが出来ます。
このやり方メリットは、フラッシング剤やフラッシングオイル特有のデメリットである、汚れの落としすぎによるエンジンブローを回避出来るところです。
使っているのがエンジンオイルなのでアイドリングだけでなく走行なども出来るし、徐々にエンジン内部を綺麗にしていくので、汚れが一気に剥がれ落ちることも無くエンジン内部でトラブルが起きる心配がありません。
ですがエンジンオイルをこまめに交換するので手間も掛かりフラッシングのコストが高くなってしまうし、一気に綺麗になるわけではないので効果が体感しづらいのがデメリットだと思います。
エンジンフラッシングの料金
エンジンフラッシングの料金はやり方や使うもので料金は左右されます。
フラッシングオイルやフラッシング剤でのエンジンフラッシングはお店で頼んでも3000~5000円位でやってくれます。
それと別にオイル交換代やフィルター交換がかかってくると思いますが、エンジンのフラッシング自体は比較的安価で行うことが出来ます。
エンジンオイルで行うフラッシングは、エンジンオイル交換の費用がそのままフラッシングの料金になるので、フラッシングのやり方の中では一番高くなってしまいます。
大体一回に5000円から10000円かかってしまうので、3回こまめに交換するやり方と最大で3万円も掛かってしまいます。
エンジンオイルでやる場合は自分でエンジンオイルを交換するか、安いところを探す必要があるかもしれません。
まとめ
今回の記事ではエンジンのフラッシングに関する内容について解説しました。
フラッシングはエンジンを本来の性能に戻す効果があるので、前より吹け上がりが悪いな?と思った人などには最適です。
ですが汚れが落ちすぎて、エンジン内部で詰まりを起こしてしまう可能性があるので、それが心配ならエンジンオイルでフラッシングをする方法が良いかもしれません。
フラッシング剤やフラッシングオイルを使ったやり方は、お店にお願いしてもそんなに高くないので、デメリットやしっかりした整備が受けたい人はお店に頼んで見るのが良いと思います。
技術力的にはガソリンスタンドより修理工場の方がいいと思うので、信頼できる修理工場を見つけてお願いしましょう!
今回の記事がエンジンフラッシングについて知りたい人の参考になれば幸いです。