どうも、整備士のナノ(@nanoj5512)です。
朝、車のエンジンを掛けて暖気のアイドリング中に車のマフラーから水が出てくるのを見たことはありませんか?
また走行中に前の車のマフラーから水が出てきているのを見たことはありませんか?
マフラーから水が出てくるなんて異常なんじゃないか?と疑問に思われる方は多いです。
実際僕が現場で働いていても「車から水が出てくる」と不安がられたお客さんが、工場に入庫してきたことがあります。
原因を知らないと異常なんじゃないか?と不安に思ってしまうのも無理ありません。
そこで今回は、マフラーから水が出てくる原因やその時の対処法について解説していきたいと思います!
Contents
マフラーから水が出てくる原因
マフラーから水が出てくるのは異常ではありません。
というのも、車の燃焼後の排気ガスには元々水分が含まれているからです。
排気ガスに含まれているのは水蒸気で、排気ガス中に約15%も含まれています。
その水蒸気は本来車の排気ガスとともに空気中に排気されるのですが、エンジンの掛け始めなどエンジン温度が低いと水蒸気が水になってしまい、排気ガスと一緒に排気されなくなります。
また有害な排気ガスを分解するために触媒と呼ばれるもので、排気ガスをクリーンにしているのですが、そのときにも水分が発生してしまいます。
それらの水がマフラー内に溜まってしまい、排気ガスと別にマフラーから水として垂れてきてしまうのです。
マフラーから出る水を放置したらどうなる?
マフラーから水が出てくる事自体は異常ではありません。
ですがマフラーから出る水を放置すると、マフラー内に水分が溜まってしまうのでマフラーが錆びてしまいます。
これはあまりアクセルを開けない人や近所しか走らない人に多いのですが、エンジン回転数が低いため排圧が高まってないので、水分を排出することが出来ずにマフラーの底に水が溜まってしまいます。
底に水が溜まってしまうと、マフラーの金属が錆びてしまいマフラーに錆び穴が開く恐れがあります。
そうなるとマフラーの排気漏れや、マフラーの折損につながるので、マフラー内部に水を溜めるのは良くないのです。
マフラーに水を溜めない対処法
マフラーに水を溜めない対処法はエンジン回転数を上げることです。
排気ガスはエンジン回転数に応じた排圧(排気ガスに掛かる排出圧力)によって排出されています。
マフラー内に発生した水もこの排圧によって排出されるので、エンジン回転数を上げると自動的に外に流れ出ていきます。
またエンジン回転数を上げるとエンジン温度が高まってくるので、そもそもの水蒸気が水になりにくく、排気ガスのまま外に排出することが出来ます。
なのでエンジン回転数を上げればマフラー内に溜まった水を排出することが出来て、さらにエンジンも温まるので水の発生も防ぐことになります。
エンジンの空ぶかしは有効な手段ですが、あまり空ぶかしをしすぎてもエンジンに悪影響を及ぼすので、その辺は注意が必要です。
なので出来るだけエンジンを温めるように暖気したり、近所だけしか走らないということをしないのがいい方法です。
近所だけしか走らずにいると、始動ばかり増えてしまいバッテリーが充電されないので、バッテリーが上がりやすくなるのでそこも気にするようにしましょう。
まとめ
今回はマフラーから出てくる水分に関して解説していきました。
マフラーから水が垂れてきても異常ではないことが分かって貰えたと思います。
また異常どころか原因をみてみると、排気ガス中に入っている水分だったり、排気ガスを触媒で綺麗にする時に出てしまう水だと言うことも解説しました。
ですがマフラー内に水が溜まってしまうと、マフラーが錆びて排気漏れなどを起こす可能性もあるので、近所しか走らない人やアクセルを開けない人は注意する必要があります。
対処法にも書いたように、エンジン回転数を上げることがマフラー内に水分を溜めない方法です。
これらが分かれば安心して車に乗ることが出来るのと思います!
今回の記事がマフラーから出る水について悩んでいる人の参考になれば幸いです。