どうも、整備士のナノ(@nanoj5512)です。
日常点検などで日頃から自分の車のオイル量などを確認している人は多いと思います。
オイル量を確認する時はオイルレベルゲージを見ると思うのですが、そのとき前回よりオイルが減っていると思ったことはありませんか?
エンジンオイルは交換せずにいると汚れるだけで無く少しずつ減っていくものですが、
「それにしては減りが早い」と感じた人は要注意かもしれません。
エンジンオイルの減りが早い多くの場合、エンジン内部でオイル上がりが起きていたり、エンジンからオイルが漏れている可能性があります。
今回の記事はそんな減りが早いと感じる人のために、エンジンオイルの減りが早くなる原因について解説していきたいと思います!
Contents
エンジンオイルが減るとどうなる?
エンジンオイルが減っていくことも問題ですが、エンジンオイルがない状態で走行してしまうと、エンジンルームから異音が聞こえてきたり、内部の部品同士が擦れてしまったりしてエンジンが壊れてしまいます。
また冷却水の関係もあるのですが、エンジンオイルにはエンジン内部を冷やす(高温になりすぎない)作用もあるため、これが失われてしまうとエンジンがオーバーヒートしてしまう可能性があります。
エンジンオイルが減る原因
エンジンオイルが減る原因は大きく分けて3つあります
- オイル上がり
- オイル下がり
- オイル漏れ(症状が軽度なのを滲み)
この3つです。
よくオイル食っているとか言うのはオイル上がりやオイル下がりのことを指しています。
これらそれぞれに特徴があるので、詳しく解説していきます。
オイル上がり
オイル上がりとはエンジンオイルが燃焼室に侵入してしまって、ガソリンと空気で出来た混合気と一緒に燃焼してしまうことを言います。
本来クランクシャフトなどを循環してシリンダーの内壁に油膜を張っているオイルが、ピストンについているピストンリングのクリアランスから、燃焼室に上がって来てしまうことでこのオイル上がりの症状が起きます。
走行距離が増えるとピストンリングとシリンダーが摩擦により摩耗していき、本来通るはずのないオイルが摩耗分で広がったクリアランスから燃焼室に上がるのです。
ピストンリングの摩耗であればリング交換で対応できますが、シリンダーの縦傷がひどくなると最悪の場合エンジン載せ替えになったりしてしまいます。
オイル下がり
オイル下がりはオイル上がりのように下からクリアランスを通って燃焼室に来るのではなく、燃焼室の上部(シリンダーヘッド)についている給排気のバルブからエンジンオイルが下がってくることを言います。
これは本来給排気をするバルブの循環をしているオイルが、バルブシールの劣化により出来たクリアランスからオイルが垂れてしまうのが原因です。
オイル下がりはバルブ交換で収まるときもあるし、バルブが密着しているエンジン側の摩耗やクリアランスがひどいと、オイル上がり同様にエンジン載せ替えの可能性が出てきてしまいます。
オイル漏れとオイル滲み
エンジンオイルが滴るくらいのひどい状態をオイル漏れといい、エンジンから滲んでいるくらいのオイル漏れをオイル滲みと言います。
2つとも特定の原因がなく、エンジンを構成している部品のつなぎ目やシールパッキンからオイルが出てきます。
よく起きる場所はエンジンのタペットカバー(カムシャフト部)とオイルパンです。
多くの場合走行距離が増えてきたときに起こる事が多く、場所によって交換する部品や費用が変わってきたりもします。
またパッキンの交換をしても漏れや滲みが収まらないこともあるため注意が必要です。
オイル漏れがひどい場合は車検に通らない
エンジンオイルの減りが早いのは異常なので早急に治す必要があるのですが、オイル漏れに関しては車検が関わってきます。
オイルが滲んでいるくらいなら車検は問題なく通りますが、エンジンからオイルが漏れていると車検に通すことが出来ません。
車検とは車が最低限安全に走行出来る状態かどうかを見極める検査で、保安基準に適合しない場合は道路を走行することを禁止されています。
オイルが漏れていることにより、車が安全に走りつづけることは困難でとみなされてしまい適合しないのです。
またオイルが漏れたまま走行すると、他の車がそのオイルを踏んでしまった時に事故などを起こす可能性があるため、オイル漏れの車は車検に通すことが出来ないのです。
そのため車検時にオイルが漏れている場合は、車検の費用と一緒に一般整備代金として車検費用が膨れ上がってしまいます。
まとめ
今回の記事では、エンジンオイルの減りが早い原因について解説しました。
エンジンオイルは消耗品なので適度な交換が必要ですが、そんなにオイル自体が減ってしまうということはなにかしらの異常なので、早めに点検に出したりするのが良いと思います。
またオイル漏れには注意しなくてはならないことも同時にわかっていただけたと思います。
オイルが漏れている状態は自分の車だけでなく、道路を走行する全ての車が危険なので、
オイルが漏れた場合は必ず治すようにしましょう!
今回の記事の記事がオイルの減り方について心配な人の参考になれば幸いです。