どうも、整備士のナノ(@nanoj5512)です。
現役整備士元整備士でうだつの上がらない毎日を過ごしている僕ですが、僕はかつて整備士としての独立、車屋さん開業を夢見た事があります。
小さい頃から夢がコロコロ変わってく子供だったのですが、夢を志したなかで1番本気で、1番長く夢見てたのが車屋さん開業(独立)でした。
なぜ底辺高校生で「サラリーマンとして普通の家庭を築く」という人生設計を建てていた僕が整備士の独立を夢見たのか。
そんな話は脇に置いときつつ、
整備士としてどう成り上がるか?どう開業に漕ぎ着けるのか?
夢見てたあの日の戦略をここに記したいと思います。
既にお気づきの方もいらっしゃると思いますが、「夢見てたあの日」とあるようにこれは今では挫折してしまった志です。
そのため僕は整備士での独立を諦めて、転職してしまいました。
技術力があり「独立を考えている」という人は、給料の高い職場への転職も視野に入れて見ると良いです。
- これから整備士になりたい!
- 整備士としての独立を目指している
今回の記事で上記のような方に、少しでも参考になればと思います。
組み立てるだけ組み立てた机上の空論をとくとご覧あれ。
Contents
自動車専門学校での立ち振舞いは人脈くん
僕の戦略は現場で働くもっと前、整備専門学生の時代から始まっていました。
というのも整備士になると決めた瞬間から独立することを考えていたので、当然といえば当然です。
現役整備士でこれから独立開業を目指す人は、ここを飛ばしてもいいかもしれません。
独立した際にいろんな車を触れるように、メーカーがやっている専門学校ではないところに入る必要がありました。
そのため専門学校選びでは、
- 座学よりも実習に力を入れている所
- 実習工場の広さ
- 取扱車種
- サークル活動
- 卒業生の実績
などを重視して選びました。
専門学校には整備士になりたいと志す者しか集まりません。
独立開業を最短ルートで推し進めるには、この同志達にどう協力を仰ぐか?が勝負だと思いました。
協力を仰ぐためには
- 恩の押し売り
- 顔を広げる
この2つが必要だと思い、”人脈くん”的な行動に徹するしかないという考えに至りました。
ただこの考えに至ったのは良いものの、これには大きな欠陥が潜んでいました。
僕がコミュ障であるということです。
僕は他人に話しかけるのが苦手で恩を売ることなんて出来ません!
また決まった友人関係しか構築できないので「顔が広い」という状態にもなれませんでした。
作戦は失敗はしたものの
- 具体的にどう恩を売っていくか?
- 顔を広げてどう協力を仰ぎたかったのか?
を詳しく解説していこうと思います。
恩の売り方
日常生活で困っていることではなく、学校で学ぶ上で立ち止まることで恩を売っていこうと考えていました。
学校の勉強はすこぶるできない僕でしたが、幸いなことに僕は整備士として必要な科目の勉強は人並み以上に出来ました。(学年上位20%)
好きなことだから頭に入りやすかったのだと思います。
また地元の先輩にイジり方を教えてもらったり、友達と試行錯誤しながらバイクいじりをしてきてたので実技の方も人一倍できました。(作業時間や実技の点数など)
なので学科と実技で困っている同級生がいたら手助けをして恩を売っていく予定でした。
まぁ失敗しているので予定は予定のまま幕を閉じる事になるのですが。w
もしこのプランを考えている人がいるのであれば人並み以上の実力が必要です。
学科に関しても、実技に関しても、好きこそものの上手なれってやつです。
ましてや実技なんてどれだけ工具に触れたか?で出来る出来ないが決まってくるので、積極的に自分の車バイク、友達の車バイクを触っていきましょう。
車はハードルが高いので、僕のオススメはバイクのレストアです。
また自分の車や友達の車で色々試して「この洗車道具良かったよ!」「こうしてみたら~で~」など自分の経験や手に入れた知恵などを参考にして、同士たちに情報発信してみたりなども良いかもしれません。
僕は実際にガラス撥水の商品や油膜取りなどをオススメしたりしてました。
顔を広げる
これは完全に意識高い系大学生みたいな戦略です。
思いっきり”人脈くん”戦略
ひたすら周りの人と絡み、顔見知りになることによって情報を得ようとしていました。
また顔が広ければ卒業した後でも、各地に散らばったディーラー勤務の同志達からディーラーでしか聞けないような話が聞けるのでは?とも思っていました。
しかもこの作戦って学生だけに留まらず先生にも使えるんです。
他の専門学校の事はよく知りませんが、整備士の専門学校の先生はみんな整備士上がりです。
整備士の国家資格に教える資格も付随されているみたいなことを言っていました。
(職業訓練校の先生とはまた別です。)
なので先生にも顔を売っていけば先生の体験談や、学校の試験情報、はたまた先生が交流している現役整備士(ベテラン)の人から情報が得られるわけです。
よくいる”人脈くん”みたいに「何かあったときのためにとりあえず顔を広げておく!」みたいな広げ方でなく、すぐ使える情報が手に入れられる予定だったのです!!
そう、予定でした。。。
結局僕はクラスの中の決まった人としか一緒にいれなかったので、恩恵はそこまで受けれませんでした。
ですが先生との交流は頻繁にとっていたので、試験のときや就活のときにお世話になりました!
この戦略を使うのであれば最低でも先生からの協力は仰ぐべきです。
就職してからはひたすらビックマウス
専門学校時代の計画がコミュ障という病で、
早期に破綻して悔しい思いをした僕は就職ということで燃えていました。
その結果たどり着いたのがビックマウス戦法
またの名をケイスケ・ホンダ
ひたすらでかい目標を掲げて発言することで注目を集め、
先輩や上司に
- 「この仕事挑戦してみるか?」
- 「ちょっと早いけどこれ教えてやるよ!」
などと言われるようのに仕向けてました。
(実際に僕は新人研修中の際「最速で工場長になります」とほざいていました。)
就職してからも意識高い系みたいな行動に手を染めていた僕ですが、これにはいくつかの理由がありました。
- 一級自動車整備士の存在
- 就職先が体育会系企業
- 工場長=疑似独立
- 開業資金をいち早く貯める
内容が少しかぶる部分もあるのですが、一つ一つ詳しく理由を書いていきます。
1.一級自動車整備士の存在
自動車整備士の専門学校は板金などの特別なコースを除いて、2年制の二級自動車整備科と4年制の一級自動車整備科の2つに分かれます。
簡単に2つの違いを解説すると、凡人コースかエリートコースかみたいな感じです。
一級の方は先進技術を取り入れた勉強を行うコースなので、その分お金もかかるけど社会に出たときの給料は高いです。
いち早く就職していち早く独立したかったので、僕は2年制の二級自動車整備科に入り資格をとって就職しました。
就職した時点で考えるべきなのは、同期の一級整備士と今後入ってくるはずの一級整備士達に差をつける事でした。
もちろん二級整備士の同期達にも言えることなのですが、彼らと僕はスタート地点が一緒です。
なのでそこまで深く考える必要はありませんでした。
どっちにしろ一級との差をつける事で自ずと差が開くからです。
とにかくスタートで遅れを取っている分、すぐにでも一級の人たちとの差を縮めて追い抜く必要がありました。
二級自動車整備士の試験より遥かに難関な国家試験をくぐり抜けている彼らなので、元々バカで二級に進んだ僕が頭脳で挑んでも勝ち目はゼロです。
なので技術力で勝負するしかありません。
(今考えると先進技術を学んでいる彼らは当然技術力も高いので、この判断は間違っているのですが、結果的にこの選択は正解でした。)
現場で先輩について回り先輩の考え方や判断基準をパクリ、作業手順をトレースして効率のいい方法と整備のコツを学びました。
メモを取るよりも身体で覚えることに注力していたので、周りがメモを取っている間ずっと現場に出てました。
メモを取るのは1日の最後。
仕事が全部終わった後に覚えている学びの部分だけメモしてました。
そうやって技術力だけに特化したおかげで、最速で社内賞を獲ったり、整備主任者と呼ばれる簡易役職につけました。
ビックマウスでいることによって、整備を学びやすい環境にすることが出来たので差をつけることに成功したのです。
今思うとビックマウスしているだけでも、一級の人達と印象の差がついていましたが、当時はそんな事考えず技術力を上げることに注力していました。
2.就職先が体育会系企業
専門学校時代に先生から企業の情報を仕入れていた僕は、自分が入りたい企業が体育会系であることを知っていました。
元サッカー部だった僕にとっては得意なピッチです。
とりあえず大きな目標に向かっていれば先輩や上司からの評価は良いだろう。と推測してビックマウスしてました。
サッカー部だった頃はベンチから抜け出せなかった僕ですが、このピッチ(会社)では活躍できたんですよね。
(サッカー部時代の苦い経験を上手く糧に出来ました。)
体育会系は完全なる縦社会です。
体育会系では、実力よりもその他の部分に焦点がいきがちなのでそこを突く戦術でした。
体育会系企業を選んで良かったです。
まあ実際周りからの話を聞く限りでは体育会系というのは、自動車業界全体の特性みたいなので、どこ選んでも一緒だったかも知れません。
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3.工場長=疑似独立
「最速で工場長になる」と言ってビックマウスしてた僕。
その理由は工場長になれば疑似的な独立体験ができると思ったからです。
最速で工場長になればその分早く独立気分を味わえて、本当に独立開業した時に役にたつと思っていました。
あくまでも会社の中の役職なので実際に開業する事とまた違ってくるはずですが、
- 粗利の計算
- 作業時間の見極め
- 人を使う力
- 部品商とのやりとり
などなど、あらかた体験できるので独立するためには通るべき道だと思っていました。
事実工場長になるにはある程度のマネジメントとお客様とはなす接客術、一定水準の整備技術が必要なので独立開業を有利にすすめるためには大切なルートです。
まあ実際には当時ここまで深く考えていなかったのですが、「独立開業のために通っておくべきだ!」と思ったので、その意味も込めて発言をしていました。
またここで特に必要なのは数字の力ですね。
数字の管理はもちろんなのですが、責任者である以上店舗に課せられた目標を達成しなくてはなりません。
その点を頭に入れつつ人を動かしたり、自分で動いて単価を取ってくるなどの行動が必要不可欠だと思います。
↑の記事は単価取りに来たお店側の見積もりに「待った!!」をかける内容になってますw
4.開業資金をいち早く貯める
これは3の工場長と若干かぶるのですが、ビックマウスをすることで役職に早くつけると思ったのです。
役職につけば給料は平社員と比べ物にならなくなります。
その分責任や仕事量が多くなるのですが、いち早く独立開業したかった僕は、開業資金を貯めるために収入の最大化を目指していました。
そのために人より多く残業したりしてました。
わざと仕事をたくさん抱えて、どう頑張っても定時に終わらないようにしてました。w
それにあわせて入社当時整備士で1番給料をもらっていたのが、工場長だったのでそこを目指したのです。
今考えると主任クラスにとどまって支出を減らして働いた方が、お金を貯めるという事だけを考えたらいいかなとは思っています。
また支出を抑えるのと共に残業時間を減らして、副業の時間に当てた方がお金は貯まると思います。
僕の場合はブログを選びましたが、やれる範囲の副業であれば何でも良いと思います。
どう頑張っても整備士だけの収入には天井(低い)がありますからね。。。
その他にも残業時間を減らして独立のための勉強をすることも大切ですね。
お金があっても技術があっても、独立開業の仕方が分からなければ意味がないので!
いち早く独立したいなら開業資金の融資も考えましょう。
今から整備士で独立開業を目指すならどうする?【おまけ】
これまでで独立を夢見た僕の戦略を語ってきたので、わかってもらえたかと思うのですが、実際に僕は転職という道を選びました。
そんな僕が言うのは色々アレなんですが「また前に戻って独立開業を目指すどうする?」という内容を【おまけ】として書いていきたいと思います。
独立までの基本的な戦略部分は同じ
もう一度独立開業を目指し頑張るにしても、同じ事をすると思います。
ビックマウスな発言で色々な仕事を振ってもらい、技術力をつけつつ、お金を貯める。
独立開業して食べていくにはなんと言っても技術力が大切なので、とりあえず仕事しまくって自分の整備技術を磨いて行くと思います。
というのも独立すると誰も周りにいないわけで、
- 教えてくれる人
- 困ったら助けてくれる人
これらの人たちは、会社ではないのでいなくなってしまいます。
そのため、まずは技術力!
これを磨かないことには始まらないという考えです。
専門時代にやっていたことは省いても、これは変わらないはずです。
お金も技術も早く貯めるために転職をする
お金と技術を早く貯めるための行動とは、すなわち転職です。
整備士が独立する前に大切なのがお金と技術ですよね。
- お金を貯めるために役職について働きまくってもいいのですが、それって結構時間かかりませんか?
- また技術力をつけるにしても同じ会社に留まっているだけじゃ、整備技術をより磨くのって難しくないですか?
こう思ってしまうわけです。
もちろん役職に就いて色んな会社の裏側のことを知るのも大切でしょうし、マネジメントも大切だとは思いますが、実際に独立した時は一人です。
そのため店舗として回っている会社の内容を真似ても、独立したときに活かせることは少ないでしょう。
役職を上げて給料を増やすより、元々給料の高いところで働いたほうが技術力アップにも繋がります。
なのである程度同じ会社で働いたらその技術やスキルで転職して、より給料の高いところに行くと思います。
そこでまた修行を積んでから独立するほうが、お金も技術も貯まるはずです。
今は前より転職しやすい時代(転職して感じましたw)なので、2社目や3社目で良い給料が出る会社を見つけ、技術力を向上させてから独立開業したほうが成功しやすいと思います。
そのため今から独立開業を目指すなら、転職を活用して早く技術とお金を貯めてから、整備士として独立開業をします。
自動車整備士専門の転職サイト【整備士JOBS】
専門的に転職サポートをしているため、優良求人が豊富にあるのでおすすめです。
僕が転職する時は整備士転職ナビさん(@SEIBISHInavi)のサイトを参考にしました。
自動車整備士が違う会社に転職する場合でも、自動車整備士が他の業界に転職する場合でも役に立つ内容がまとまっていたので参考になると思います。
整備士で独立を夢見た男の戦略【まとめ】
独立を夢見た男の戦略いかがだったでしょうか?
専門学校編では、
- 恩の押し売り
- 顔を広げる
などの行為で人脈くんとなり、情報提供など協力をしてもらうという戦略でした。
就職編では、
- 一級整備士と差をつけること
- 体育会系企業であること
- 工場長で独立疑似体験をすること
- 開業資金を貯めること
の4つの理由からビックマウス戦術をとるということでした。
専門学校編と就職編に分けてくだらない戦略を書いていったのですが、実際に僕が行った戦術は就職編のビックマウスだけでした。
専門学校での戦術は文字通り机上の空論となってしまいました。
またビックマウス戦術の理由として4つ挙げた中で、望みどおりになったのは1と2ぐらいでした。
3.と4に関しては効果は出たものの工場長の役職についていません。
また整備士としての独立開業をあきらめた今ではそのための資金は貯めていません。
今も整備士として働いているのでビックマウス戦術は道半ばということになるのですが、諦めた時点でこの戦術は無に帰しています。
現在では僕は転職してしまったので、完全に独立開業へのルートから外れています。
ですが独立開業を諦めた今でも身につけたスキルは役に立っています。
たとえ諦めても身についたスキルや考え方は無くなりません。使う方向が変わるだけの話です。
僕の場合目指していた時は、特に目標もなく目の前の仕事をこなすよりもずっと楽しかったです。
全員の人がそうするべきだとは思いませんが、目標を持って仕事の楽しみを見つけてみても面白いかなとは思います。
今回の戦略がこれから整備士として独立開業を夢見る人たちの参考になれば幸いです。
https://nanoblogj.com/mechanic-job-description